北海道のゴルフ場は広大な土地を生かした、広々としたコース設計が多いのですが、実は雄大なコース程ターゲットがわかりづらくなるものです。しかしながらこのコースはティグラウンドに立った瞬間にティショットのターゲットポイントがイメージされ、極めて秀逸なレイアウトであると感じました。
又、私が知っている限り、名門コースはいずれもショートホールが東西南北の四方に向くよう設計されている事が多く、ここも多分に漏れずショートホールが、No3が北東、No16が南西、No13が南東、No6がフロントティから北西に向いており、さすが名匠菅谷直氏のこのコースに対する思い入れと、風格が漂うものでありました。因みにショートホールが四方対称に向くように設計にするのは、同じような番手で打つ場合でも、ホール毎の風向きに対するイメージと戦略性を要求する、設計者の意図がうかがわれるものです。
また新設されましたフルバックティも、トーナメント開催に充分に耐えうる距離と仕上がりになっており、特にNo17のフルバックティは、ティショットで左のバンカーが意外に効いてきて、非常にプレッシャーのかかる、プレーヤーには緊張感、ギャラリーにはプロのショットの凄さをまざまざと感じさせる、非常に楽しめるホールになっておりました。またトーナメント開催にあたり懸念されております、No13のショートホールの距離の短さについても、ヨーロピアンツアーの開催コースでは、過去80Y台のホールもあり、このグリーンの微妙なアンジュレーションとあいまって、かえって見どころ溢れるホールにもなり、プロのウエッジショットの妙技が楽しめることでしょう。
通常営業日にプレーしたにも関わらず、トーナメントを彷彿させる速さと転がりの良さ、大雨でも水が溜まらないとお聞きしたグリーンはまさに圧巻で、大変驚きました。
最後にこの倶楽部の名称由来であるNo4の左側を流れる、希少な清流「パンケナイ川」の源流部も拝見しました。その風景は非常に神秘的で、クラブハウス内に掲示されている由来紹介文も一読し、強い感銘を受けるとともに、私も同じような思いを抱いた次第です。
ゴルフアナリスト
大町 昭義氏 プロフィール